ラマン分光

ラマン分光とは、物質に光を照射すると、光と物質の相互作用により反射、屈折、吸収などのほかに「散乱」と呼ばれる現象が起こります。散乱のなかには、分子振動によって入射光とは異なる波長に散乱される「ラマン散乱」と呼ばれる現象があり、このラマン散乱で生まれた光を使って、分子レベルの構造を解析する手法がラマン分光です。特徴としては、固体のみならず、液体、気体のいずれの状態においても定性、定量分析を容易に行えることです。一方で、ラマン散乱した光は非常に微弱という欠点がありますが、近年ではレーザーをはじめとする光学機器の進歩により安定した観測が可能となりました。