
奈良県の国際交流事業で
ウズベキスタンに派遣。
生命環境学部 環境応用化学科 2年生
※取材当時
小倉 鈴香 さん
私が生まれ育った奈良県は、ウズベキスタンのサマルカンド州と友好提携を結んでいます。その奈良県の『友好交流を担う次世代養成事業』のメンバーの一員として、私はウズベキスタンに派遣され、7日間にわたって現地での国際交流活動に取り組みました。このプログラムには私を含め奈良県在住の大学生5名が参加。サマルカンド州政府を訪問したり、数々の歴史的建造物や博物館、市場などを視察して回ったり、現地の大学生とお互いの文化を伝え合ったり…。私はこれまでウズベキスタンという国にあまり縁がなく、だからこそ「行きたい」「知りたい」といった期待を抱いて臨みましたが、その期待をはるかに上回る、本当に楽しく、刺激的な体験ができました。

多民族が共生する国だから、
日本人も温かく受け入れてくれる。
そこに応える意味でも
「もっと語学を勉強したい」と感じた。
驚いたのは、ウズベキスタンではマルチリンガルの人が大勢いること。私はサマルカンド国立外国語大学の学生の家にホームステイさせてもらったのですが、その学生は6ヵ国語が話せます。「どうやって勉強してるの?!」と聞くと「3ヵ国語くらいは、みんな日常生活で覚えるから、それにプラスして大学で英語や日本語を学んでいるの」って。実際、その人のお母さんはロシア語とタジク語とウズベク語が話せ、家の中でもいろんな言語が飛び交います。言語だけでなく食べ物などの文化も多種多様で、街の人たちの顔を見ると、いろいろな人種や民族であることに気づかされます。そうした多民族国家だからでしょうか、私たち外国人をとても温かく受け入れてくださるんです。日本人が珍しいこともあって、観光地でも気さくに声をかけてくれたり、市場でおまけしてもらえたりします。様々な民族が共に生活しているからこそ、文化的な違いにも寛容な国民性が育まれていると感じ、私自身もっと語学力を高めたいと思いました。現地での生活に特に不自由はなかったのですが、日本文化の良さや自分の思いをうまく伝えきれず、もどかしさを感じた場面が多かったです。ニュアンスでなく、しっかりと自分の言葉で発信して、お互いに確かな意思疎通ができる関係を築きたい。日本に興味を持って学んでくれている学生が日本語で熱心に話しかけてくれるたびに、痛感しました。
「今」をしっかりと生きて、
未来へと繋げていく。
大使館の方のお言葉で、
自分の「今」が間違いではないと確信。
滞在中にはJICAの現地事務所や日本大使館も訪れ、日本人の方々とお会いしました。「今をしっかり生きて、未来に繋げてほしい」という大使館の方のお言葉は特に印象に残っています。ご自身も「今の自分が何をしたいのか」を常に突き詰めてこられた結果として、現在のやりがいあるお仕事に携わられていると聞き、私自身がずっと思い続けてきた「人のために働ける人になりたい」という想いが、より強くなりました。
実は入学当初、私は学部・学科での学修内容に戸惑いを感じていました。「生物系中心と思っていたけど、こんなに本格的に化学を学ぶの?」と。勘違いしていたもののやっていくうちに化学の面白さに気づき、今は有機化学の勉強に夢中です。今回のウズベキスタン派遣は、同じ学部の友人が副専攻で国連・外交プログラムを選択していて、この国際交流事業を知り、「奈良県なら小倉さんに」と勧めてくれたのがきっかけ。そんな出会いに恵まれたのも関学のこの学部・学科に入学したおかげですし、めざす職業などはまだ具体的に決められませんが、ここでの「今」に全力を尽くし、やれることにどんどん挑戦して、自分らしい未来へと繋ぎたいと思います。