一級建築士に合格。
建築設計で社会貢献を。
大学院 理工学研究科 建築学専攻 修士課程2年生
※取材当時
渡辺 賢太郎 さん
建築設計を学ぶなかで、私が学部生時代に関心を抱いたのは、建物の「終わり」の部分。古くなった建物はいずれ解体されますが、私は「建物をただ消費するのではなく、長期的な視点で使い続け、さらにどのような”終わり方”が良いのか?」という問いに向き合い、論文を書きました。大学院進学後はさらに一歩踏み込み、社会問題にもなっている空き家の再利用について研究。住宅、オフィス、ワークショップスペースなど、用途を柔軟に変化させながら持続的に活用するリノベーションの提案に取り組んでいます。修士1年次には、一級建築士試験に合格。卒業後は、建築設計を通して社会に貢献していきたいと考えています。

学部生時代からスケッチや建築模型など、自分の手を動かしての「アウトプット」が一番楽しいと感じてきた渡辺さん。「設計演習では先生とやりとりしていくなかで、新しい気づきがたくさん得られました。卒業後は、大きな建築物の設計を仕事として挑戦できるのが本当に楽しみです!」。
デザイン性、構造、使い勝手、
経済面、地域性など、
多様な条件をうまく調和させていくのが
建築設計の楽しさ。
大学で建築を学び始めて実感したのは「建築は、デザインだけではない」ということ。デザイン性が高くても、耐久性などの構造面について考慮する必要があります。そして、その建物を使用する人にとって、使い勝手の良さや経済的な合理性、そして建てる地域の土地柄や文化なども踏まえて考える必要があります。難しい部分ではありますが、そうしたたくさんの与条件をふまえ、バランスがとれた、デザインとも調和した建築設計ができあがっていく過程が、私は何よりも楽しさを感じます。
このような建築設計の面白さや難しさを、基本から教えてくださったのが八木先生です。初めての設計課題を担当して頂き、大学院に進学した現在も八木先生の研究室で学んでいます。建築というのは、フロアごとに積層させるようにデザインしていくイメージを持つ方が多いかもしれません。 私も最初はそう考えていました。八木先生から「建物全体を一つのボリューム(塊)として捉えて、そのボリュームを縦方向に切り分けることで、内部に”隙間”や”抜け”を作る」といった考え方を教わり、感銘を受けました。今はそれがすごく基本的な視点であると理解していますが、先生のご指導で、自分の固定観念が打破されて、視野が広がるきっかけになったと思います。
将来の夢は、スポーツ施設を核とした
地域活性化への貢献。
建築設計を通して、
社会に役立てるプロフェッショナルに。
大学院では、空き家の再利用に加えて「古くからの価値の高い建築物をいかに残していくか」といったテーマにも取り組んでいます。例えば、歴史的な建築家による優れたデザインの建物など、未来の日本の財産となり得る建物であっても、維持費の問題などから解体されてしまうことがあります。そういった建物をどのような方法で保存し、使い続けられるか。さまざまな事例を研究しながら、具体的な提案に繋げていきたいと考えています。
卒業後は、大きな規模の建築物の設計に携わりたいと考えています。将来的に挑戦したいのは、スポーツ施設の設計です。単なる施設の設備にとどまらす、例えばスタジアムを中心に、そこに集まる人たち、周囲の商業施設や近隣住民にとっても価値のある、観光や地域の産業とも連携しながら、地域活性化の拠点となるように、広く社会に貢献したいと考えています。そのためにも、今後さらに学びを深めていく必要があります。スポーツについても、まだまだ知らないことばかりです。学べば学ぶほど視野が広がり、「ここまででおしまい」ということがないのが建築設計の魅力だと思います。まずは設計士として実務経験をしっかりと積んで、スポーツ関連という自分が本当にやりたい分野でのプロフェッショナルになることが、社会に出てからの目標となります。