
面白いことを突き詰めたい
起業とファッションショー
を開催。
理工学部 先進エネルギーナノ工学科 4年生
※取材当時
田中 一清 さん
コロナ禍を機に地元の大阪府和泉市に戻った時、空き家になっていた父の生家の改修に取り組みました。老朽化していた家を1年半ほどかけてキレイにできたので、「せっかくだからここで何かやろう!」と立ち上げたのが古着店。理工学部で学んでいる僕ですが、もともとファッションにも起業にも関心が強かったのです。大学の起業家育成プログラム『Kwansei Gakuin STARTUP ACADEMY』でビジネスの知識やスキルを磨きながら、少しずつ店の事業を本格化させ、2022年11月にはスマホアプリでファッション相談を行うサービス『coordimate』と連携してファッションショーを開催。「大学生活で困っているシーンのコーデ」をテーマに、ランウェイを歩く6人の男子学生の衣装を僕が担当しました。

ファッションショーでは「大学に普段着ていく服で悩んでいる」といった人のためのコーデを、自らの古着店の商品を使って提案。出演者の人たちにプレゼントして次の日から着てもらえるような服でありながら、普通すぎず、ランウェイでも見栄えがするようなコーデに、といった制約が難しかったですが、楽しいチャレンジができました。
実践的なプログラムを通して
ビジネススキルを磨き、
ショーでは仲間を巻き込んでの
成功体験が得られた。
『Kwansei Gakuin STARTUP ACADEMY』は、実践を通して起業に挑戦するプログラム。座学もありましたが、何よりまず「行動して結果を出さなければならない」といった厳しい環境が、自分を成長させていくうえで、すごくありがたく感じられました。また、総合政策学部など他学部の意識の高い学生たちがたくさん参加していて、そうした人たちと一緒に学べたことも刺激になりました。僕は古着店という事業が先にあって、それを磨き上げていくためにこの講座に参加したのですが、1回目は「ネットで販売してみよう」、2回目は「対面でやってみよう」と、段階的に課題を与えてもらい、ステップアップしていけたのが良かったと思います。
『coordimate』から「プロモーションのためのファッションショーをやりたい」と連携のお話をいただいたのも、この講座に関わる職員の方の紹介から。衣装のコーディネートを任されただけでなく、出演者を集めて、お笑いサークルの人に司会を頼んで、と、たくさんの関学の仲間も巻き込んで「みんなで作ったイベント」として成功できたのが、うれしかったですね。
自分が生み出すもので
喜んでくれる人たちの笑顔や
「面白い!」と共感しあえる
仲間の存在が原動力に。
この古民家スペースの敷地は約300坪と広く、改修は今もまだ少しずつ進めています。古着店はこれまでネット販売が主体でしたが、スタッフも雇い入れ、今後は週4〜5日の本格的な営業へとステップアップさせたい。また、この広い敷地を生かしたマルシェ(市場)も計画中です。いくつかの飲食店の他、アイドルのステージやお笑いライブなども予定していて、僕と同じように「何か面白いことに挑戦したい」という人たちが思いを実現できる場になればと考えています。1人だけでやっていた時期もありましたが、全然面白くなかった。僕がやっていることを「面白い」と感じてくれる仲間や、僕が生み出すもので喜んでくれる人がいるから楽しいし、頑張れます。
春からは大学院に進学します。将来は、今の事業や大学院での学びを通してできるだけ力を蓄えて企業に就職し、個人ではできない規模の大きな事業を手掛けたい。『coordimate』もNTTドコモの社内ベンチャーのような事業ですし、一緒にショーを開催するなかですごく良い勉強をさせてもらいました。これからもたくさんの人たちと関わりながら、ワクワクできることに挑戦していきたいですね。