
仲間とつくる映像作品から
“自分の存在意義”を実感。
理工学部 生命医化学科 3年生
※取材当時
石井 清蘭 さん
私が代表を務める『LIMELIGHT(ライムライト)』は、KSCの映像制作団体です。2007年に創設され、2018年からはアカデミックコモンズプロジェクトの一環として活動しています。「映像制作を楽しむ」をキーワードに、自主制作の作品はもちろん学内外の団体や個人からの依頼で映画やPV、MVなどを制作しています。また、制作だけでなく、より多くの人に映像制作の魅力を伝えるために、撮影や編集技術のワークショップやイベントなどを開催。自主映画も積極的に制作し、コンクールに毎年出品しています。メンバーは現在、15名。脚本、撮影、音響、編集など、一人ひとりがそれぞれの役割をしっかりと果たすことで一つの作品が完成していく、そのなかで自分の存在意義を実感できるのが私にとって何よりの魅力。みんなで同じ目標に向かって気持ちを集中させる撮影現場の空気感、そして完成時の達成感は、本当に最高です。


大阪で歯科医師を務める島谷浩幸さんからのご依頼で、ご自身の著書である『ミュータンス・ミュータント』というミステリー小説を映画化した2021年度の作品。コロナ禍の影響で撮影スケジュールを何度も組み直し、1年以上の制作期間を経てようやく完成。『LIMELIGHT』史上において、一番の大作となりました。
1年生の夏に地元アーティストの
MVづくりに挑戦。
映像制作の魅力と
依頼主への責任を体感した。
「大学で何か新しいことに挑戦してみたい」と考えたのが、私が『LIMELIGHT』に参加したきっかけ。入ったばかりの1年生の時は、映像制作のノウハウについて先輩が毎回授業仕立てで基礎から教えてくれ、それを覚えるのが面白かったです。
1年生の夏休みには、本格的な映像制作を実践。三田市で活動する兄弟アコースティックデュオ『ちめいど』さんのMV制作に取り組みました。依頼してくださったのは、作詞を担当された蔭山武史さん。蔭山さんは筋ジストロフィーという病気で寝たきりの生活を送っておられるのですが、歌詞に合わせた映像を作るために何度も打合せに応じてくださり、そんななかで私たちも「いい作品にしたい」という熱意や責任感がおのずと高まりました。私は絵コンテの制作を担当。初めてで不安でしたが、先輩に助けてもらいながら、自分で考えた構図やアイデアが形になっていくのが、すごく楽しかったですね。何より、蔭山さんや『ちめいど』さんに満足してもらえる作品を完成できたことが、良かったと思います。
代表としてメンバーを
引っ張るのに苦心しつつ、
チームで作品をつくりあげる
楽しさを再認識。
2年生の時、私は副代表に選ばれました。1年の夏のMV制作で、暑い海辺での撮影でみんなの心が折れそうになった時、私が「頑張ろう!」と元気に振る舞って現場を盛り上げていたのが、先輩たちの印象に強く残ったそうです。その時に作った絵コンテも評価してもらえ、うれしく思いました。
3年生からは代表になりました。コロナ禍で思うように活動できず、最初は新入生のメンバーもなかなか集まりませんでしたが、SNSや張り紙で地道な広報活動を行い、なんとか6人の1年生と2人の2年生を迎えることができました。今はそんな後輩たちに映像制作のノウハウを教える立場になりましたが、メンバーのスケジュールを合わせるのも難しく、リーダー的な役割の重責を痛感しています。それでも後輩に映像のことで質問をされると、そのやる気に応えたくてモチベーションが高まりますね。そんな仲間たちと一緒に作品を作りあげていく感覚が大好きで、将来も映像制作に関わる仕事に就きたいと考えるようになりました。これから入学してくる人たちにも、一人でも多く『LIMELIGHT』に参加してもらい、映像制作の魅力を知ってほしいです。