RESEARCH

総合政策学部 国際政策学科

ソーシャルビジネスで途上国の課題を解決する。

西野 桂子 教授

  • #ソーシャルビジネス
  • #BOPビジネス
  • #国際協力
  • #フィリピンフィールドワーク

※この記事は2021年2月に神戸新聞に掲載されたものです。

国連児童基金(ユニセフ)の職員として、バングラデシュのダッカ事務所に勤務したことがあります。ユニセフは子供の教育や健康を守る国際機関です。

今はコロナ予防で手洗いが欠かせません。当時のバングラデシュでも下痢予防に、食事の前やトイレの後は手を洗うよう、小学校などでキャンペーンを続けました。でも、なかなかうまくいきません。せっけんが少なかったからです。

20年ほどたって、自宅でテレビを見ていると懐かしい景色が出てきました。インドの農村にある小学校で、バイキンマンとせっけんマンが教室内で戦っています。手がいかに汚いかを示す寸劇でした。

驚いたことに突然、子供たちが「(世界的な日用品メーカー)ユニリーバのせっけんで手を洗おう!」と唱和したのです。同社はせっけんを売りながら、健康教育を続けていました。目からうろこで、衝撃を受けました。

私は長い間、「公」な組織で国際協力に携わってきました。でも、ユニリーバの番組は「民」の力を示すものでした。この番組をきっかけに、ソーシャルビジネスやBOPビジネスと呼ばれる、特に途上国の課題をビジネスで解決する手法の研究を始めました。

フィリピンでは現地の非政府組織(NGO)と一緒に、山岳地帯に住む少数民族の生活改善のため有機野菜を販売したり、小規模なコメ農家に農機具をレンタルしたりするビジネスの支援活動を続けています。この活動が学生の研究フィールドになります。総合政策学部の「フィリピンフィールドワーク」です。

このプログラムでは、途上国の農村に住む貧困層の「普通の生活」を体験します。国際協力とは何か、課題をビジネスで解決するとはどういうことかを考えてもらうことが目的です。

学生は農作業だけでなく、学校や保健所、病院などを訪問し、村人の生活を学びます。私が学生に伝えたいのは「貧しいから助ける」のではなく、「一緒に成長していく姿勢」です。もちろん、国際機関や日本政府のような大きな協力も重要です。

関学には学部生のための国連・外交プログラムや、大学院の国連・外交コースがあります。国連ユースボランティアや国連セミナーに参加できるチャンスがあるなど、国連とのつながりが強い大学です。

元国連職員や外交官など実務家の教員が多いのも特徴です。地球規模の国際協力と草の根レベルの協力、その両方を研究するのが面白いところです。

西野 桂子 教授

NISHINO Keiko

国際協力・開発援助の総合的な研究やソーシャルビジネスとその評価手法を研究。

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